はじめに

ホルスヘレシーにおけるTyrant Siege TerminatorとFulmentarus Terminatorについて比較してみます。

Tyrant Siege Terminator
フォージワールドにて販売中のTyrant Siege Terminator

ホルスヘレシーにおける各兵団は、それぞれ独自のターミネーターを開発し、運用していました。[1] 兵団によっては複数種

その中で、第IV兵団Iron Warriors(以後アイアンウォリアー兵団)のTyrant Siege Terminatorと第XIII兵団Ultramarines(以後ウルトラマリーン兵団)のFulmentarus Terminatorはすべての構成員がランチャーを背負うターミネーター部隊であるという共通点があります。

今回はホルスヘレシー2版における、これら2種のターミネーターについて比較していきます。

背景設定

攻城戦のためのターミネーター

アイアンウォリアー兵団が、築城と攻城の名手であることは広く知られています。タイラント・シージ・ターミネーターもその名称の中にSiege[2] 攻城戦・包囲戦の意。そこから転じて、しつこいことも意味するが含まれており、攻城・包囲戦への投入を期して開発されたことがわかります。

タイラント・シージ・ターミネーターは包囲戦の切り込み役です。

堅固なカタフラクティ・ターミネーターアーマーに身を包み、背に負うロケットランチャーから雲霞の如くロケットを撃ちだしながら、砲撃の中を前進し、障害をその拳で文字通り粉砕する。それが彼らの役割です。

グィリマンの改良品

グィリマンはアイアンウォリアー兵団におけるタイラント・シージ・ターミネーターの成功を見て、自軍への導入を試みました。

タイラント・シージ・ターミネーターの時点で確保されている防御力はそのままに、より高度な標的探査・射撃管制システムを組み込み、重攻撃に耐えうる部隊を作り上げたのです。

フルメンタラスと名付けられたそのターミネーターは大逆が無ければ全兵団に広まったのではないかと言われるほどの成功作となりました。

Fulmentarus Terminator
Fulmentarus Terminatorのイラスト

データ

ホルスヘレシー2版におけるそれぞれの部隊のデータ掲載場所は以下の通り。

タイラント・シージ・ターミネーターはLiber Hereticus[3] いわゆる大逆本に。

フルメンタラス・ターミネーターはPDFで提供されているLegacies of The Age of Darknessのリストに。

両者の違いは、タイラント・シージ・ターミネーターにモデルが販売されているのに対して、フルメンタラス・ターミネーターはモデルが出ていないという事情のためと考えられます。

能力比較

本題となる能力を比較していきましょう。

能力値

両者ともカタフラクティ・ターミネーターアーマーなので、基本的な能力値は変わりませんが、2つだけ異なる部分があります。

  • フルメンタラス・ターミネーターのBSが1高い
  • タイラント・シージ・ターミネーターのLdが1高い

フルメンタラスの射撃技能が高いのは設定の反映と考えられます。Ldについては、兵団独自ターミネーターにしてはフルメンタラスの数値が低いと言えるかもしれません。

武装

近接武装

フルメンタラスがパワーウェポンが基本なのに対し、タイラント・シージ・ターミネーターはパワーフィストが基本です。これも攻城での破壊力を持つという設定の反映でしょう。

射撃武装

手持ちのコンビボルターは共通。

背負いのランチャーについては、以下の通り。

タイラント・シージ・ターミネーターが、48インチ射程の対人・対装甲・対空弾頭と3種類。

フルメンタラス・ターミネーターが、36インチ射程の対人弾頭と24インチ射程のプラズマ弾頭[4] Gets Hotはついていないの2種類。

比較すると、フルメンタラスのミサイルのほうがSやAPは良くなっていますが、射程は短くなっており、対空弾頭はなくなっています。

その他装備

タイラント・シージ・ターミネーターのリーダーはOmni-scopeを装備。

フルメンタラス・ターミネーターはPeritarch Targeterを装備。

両者ともに夜戦に役立つほか、後者は起動すると移動できなくなる一方で、LoSの通っていない敵への射撃が可能となります。

専用輸送車輌

両者とも、5人以下ならランドレイダー・プロテウス、6人以上10人以下ならスパルタンを専用輸送車輌とすることが可能であることは共通。

フルメンタラスについてはドレッドクロウ・ドロップポッドも同様に利用可能です。

ポイントコスト

5人の基本部隊でのポイントはフルメンタラスのほうが10pts低くなりますが、増やせる1体ごとのポイントは同じになります。

総評

どちらも魅力的、かつ優秀なユニットであると考えます。

一般的に考えると、BSとSが高いことからフルメンタラスが有利かと思いますが、アイアンウォリアー兵団の場合は兵団特性からドレッドノートや車両へのSが向上することもあり、悩ましいところかと思います。[5] 特にホルスヘレシー2版におけるドレッドノートは強力なため

また、フルメンタラスのプラズマ弾頭が30インチ以上の射程があれば文句なくフルメンタラスかと思いますが、24インチだとLoS制限なしの射撃といえども少々短いかなと感じてしまいます。

最終的には、LoS無視攻撃が出来ることを重視するか、射程や対空もあることを重視するかという選択の問題になってきます。

設定通り、撃ちまくりながら進んで、最終的には相手を接近戦で粉砕するならタイラント・シージ、足を止めて射撃に徹するならフルメンタラスとなるでしょうか。

現実的には先に兵団を決めてから使用するユニットを決めることが多いとは思いますが、ホルスヘレシーの戦場に登場させるユニットの参考になれば幸いです。

References

References
1 兵団によっては複数種
2 攻城戦・包囲戦の意。そこから転じて、しつこいことも意味する
3 いわゆる大逆本
4 Gets Hotはついていない
5 特にホルスヘレシー2版におけるドレッドノートは強力なため